墓じまいと散骨の手引き

墓じまいの費用の内訳と、見積もりで確認したい追加料金

内容の確認日: 2026年11月2日

墓じまいの費用は、墓石の面積、墓の立地、新しい納骨先の3つでほぼ決まります。総額の目安は資料によって割れています。安心墓じまい(株式会社Sora Capital)のページは約35万〜150万円、終活・お墓の相談所いのりのページは50万〜200万円です。どちらも民間事業者の掲載で、公的な統計ではありません。

この記事では、公開されている4つの事業者ページの内訳を表に並べました。あわせて、見積もりで確認したい追加料金の項目と、行政手続きの流れをまとめています。数字はすべて2026年11月2日に各ページで確認したものです。

撤去費用と新しい納骨先は別の見積もり

墓じまいの費用は、大きく2つに分かれます。ひとつは今ある墓を撤去する費用で、もうひとつは遺骨を移す先にかかる費用です。見積もりを取るときは、この2つを分けて書いてもらうと比べやすくなります。

鎌倉・東慶寺の墓地
写真: Andrea Schaffer / CC BY 2.0(Wikimedia Commons)

撤去工事の単価は、次の3ページの目安では1平方メートルあたり10万円前後から10万円台前半です。ただし表示の形は違います。いのりは「約10万円」(自社の工事は6万5,000円からと案内)、安心墓じまいは「約10万〜15万円」、城戸石材加工所は「12万円から・税込」としています。

新しい納骨先は、数万円から150万円超まで開きます。総額が資料ごとに割れる最大の理由は、ここをどこまで含めるかの違いです。

内訳表 項目ごとの目安

次の表は、石長、安心墓じまい、城戸石材加工所、いのりの4ページを私が整理したものです。ページに数字がなかった項目は、空欄にせず説明を添えています。

家名を刻んだ日本の伝統的な家墓の石塔
写真: Gpwitteveen / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

表は左右に動かして読めます。

項目目安払う相手
墓石の撤去・処分1平方メートルあたり約10万〜15万円(12万円から・税込の表示もあり)石材店・墓じまい業者
基礎(コンクリート)の撤去必要な場合に12万〜20万円が加わる(城戸石材加工所)石材店
遺骨の取り出し・洗浄・運搬数千円〜5万円程度(洗浄1万〜3万円、粉骨1万〜2万円が目安・安心墓じまい)石材店・業者
閉眼供養のお布施3万〜10万円(安心墓じまいは本文で3万〜5万円とも記載)僧侶・寺院
離檀料3万〜20万円(寺院墓地の場合のみ。3ページで共通)寺院
改葬許可の手続き無料〜1,500円程度。行政書士に頼むと3.3万円から(安心墓じまい)市区町村・行政書士
新しい納骨先数万円〜150万円超(安心墓じまいの掲載。種類ごとの内訳は載せていません)霊園・寺院・納骨堂

安心墓じまいのページは、撤去から閉眼供養までの合計を約20万〜50万円とし、納骨先まで含めた総額を約35万〜150万円としています。同じページには、条件によって150万円を超える例も載っています。いのりのページは相場の目安を50万〜200万円としています。下限と上限が違うのは、前提にしている墓の大きさや納骨先が違うためです。

面積別の例も出ています。城戸石材加工所のページでは、撤去のみで、約2平方メートルが24万円から、3〜4平方メートルが36万〜48万円、5〜6平方メートルが60万〜72万円です。安心墓じまいは、2平方メートルで石塔1基なら約20万〜30万円としています。

費用が変わる条件

同じ地域の墓でも、見積もりが大きく違うことがあります。違いを生む条件は次の5つです。

伝統的な角柱の墓石と、そうでない形の墓石が並ぶ墓地
写真: Gpwitteveen / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
  • 墓地の面積。単価が平方メートル単位なので、そのまま金額に響きます。
  • 基礎や外柵の有無。基礎の撤去が別料金になる業者があります。
  • 立地。重機が入れない狭い区画や山の上は、人力で運ぶぶん割増になります。石長はこれを「難所工事費」と呼んでいます。
  • 石塔の数と遺骨の数。安心墓じまいは、石塔が2基目なら5万5,000円、2平方メートルを超えると1平方メートルごとに11万円が加わるとしています。永代供養墓は1柱ごとの料金が基本で、遺骨が多いと総額が変わります。
  • 新しい納骨先の種類。合祀墓と一般墓では桁が変わります。

自治体によっては、撤去費用の助成があります。石長のページは、浦安市の上限15万円の助成を例に挙げ、市川市などにも制度があるとしています。多くは工事の前などに申請が必要で、予算に達すると終わる制度もあります。条件は市区町村の窓口に直接確認してください。

見積もりで確認する追加料金の項目

見積書で見るのは、総額よりも「何が含まれていないか」です。次の項目を、書面で答えてもらうと後から揉めにくくなります。

高野山・奥之院の墓地に並ぶ墓石
写真: Josep M. Gracia / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
  1. 撤去の範囲。墓石だけか、外柵・基礎・墓誌・灯籠まで含むか。
  2. 処分費と残土処理が含まれているか。城戸石材加工所のページには、処分費を別に出す石材店があると書かれています。残土の処理や墓の状態で、追加作業が出ることもあるそうです。
  3. 重機が入らない場合の割増(難所工事費)の有無と金額。
  4. 面積や石塔の数が増えたときの単価。
  5. 遺骨の取り出し、洗浄、粉骨が含まれているか。
  6. お布施と離檀料が見積もりの対象外になっているか。安心墓じまいのページは、この2つと自社パック以外の供養先の費用を対象外としています。
  7. 着工後に追加料金が出る条件と、出る場合に事前説明があるか。安心墓じまいは、現地調査後の確定金額から追加はなく、地中の予期せぬ事情などは着工前に説明するとしています。
  8. 支払いの時期。同社は着手時に半額、完了後に残額の2回払いです。
  9. 墓地の管理者が、工事を頼む石材店を指定していないか。指定は墓地ごとの決まりなので、先に管理者へ聞きます。

改葬許可の手続きと日数

遺骨を別の墓地や納骨堂へ移すときは、取り出す前に市区町村の改葬許可が必要です。散骨や手元供養にする場合の扱いは、窓口で確認してください。許可の費用は無料の自治体が多く、手続きそのものは安く済みます。ただし順番を間違えると進みません。

京都・知恩院の隣にある墓地
写真: Basile Morin / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

横浜市のページによる流れは次のとおりです。

  1. 新しい納骨先を決める。
  2. 改葬許可申請書を入手する。
  3. 現在の墓地の管理者から埋蔵証明を受ける。
  4. 墓地のある区の窓口に申請し、改葬許可証を受け取る。
  5. 許可証を墓地の管理者に見せて、遺骨を取り出す。

長野市のページでも、改葬先が決まっていることが前提です。許可証の交付は申請から1週間程度とされています。受入証明書も必要で、書類に不備があると1か月ほどかかることがあります。申請書は故人1人につき1通です。横浜市と長野市は許可証の手数料が無料ですが、自治体によって扱いは違います。

この記事は一般的な情報です。個別の事情や、親族間の話し合い、墓地の契約内容に関する判断は、行政書士や弁護士などの専門家と、墓地の管理者に確認してください。

手続きと並行して、見積もりの比べ方も決めておきます。まず、墓の面積と立地を写真と寸法で控えます。次に、同じ条件を複数の事業者に伝えて、上の確認項目を書面で出してもらいます。総額だけでなく、含まれる範囲を同じ表に並べると差が見えます。

石材店への一括見積もりや、撤去から納骨先までを請け負うサービスもあります。どちらを使う場合も、離檀料と閉眼供養のお布施は別に必要になることがある点に注意してください。

出典

いずれも2026年11月2日に確認しました。事業者ページの金額は各社の掲載で、実際の見積もりとは異なります。

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