墓じまいと散骨の手引き

海洋散骨の費用 代理・合同・貸切の違いと4社の公式料金

内容の確認日: 2026年11月2日

海洋散骨の費用は、方法で大きく変わります。事業者の公式ページに載る税込価格を見ると、代理(遺族は乗船しない)は1万円台から5万円台、合同乗船は11万円台から13万円台、貸切は9万円台から24万円台に分かれます。同じ名前のプランでも、粉骨や献花が含まれるかどうかは会社ごとに違います。

この記事では、4社の公式ページの料金を表にまとめました。あわせて、厚生労働省の研究事業で作られたガイドラインと、自治体の条例についても確認しています。価格は2026年11月2日に各社のページで確認したもので、変わることがあります。

代理・合同・貸切の違い

海洋散骨のプランは、遺族が船に乗るかどうかで3つに分けられます。費用が安い順に、代理、合同、貸切です。

鎌倉付近から望む相模湾
写真: P. Hughes / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
  • 代理(代行)は、遺族が乗らず、業者が散骨を行います。実施後に証明書や写真が届きます。
  • 合同乗船は、複数の家族が同じ船に乗ります。
  • 貸切(チャーター)は、1家族か少人数で船を借ります。

どの方法でも、遺骨を砕いて粉状にする粉骨が必要です。シーセレモニーのページには、粉骨に7日〜10日ほどかかるため、遺骨は出発の10日以上前までに預ける、と書かれています。

4社の公式ページの料金(税込)

次の表は、4社の公式ページに載っていた価格です。条件のそろわない部分があるため、安さの順位づけはしていません。

小田原の砂浜から見た相模湾
写真: Ymblanter / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

表は左右に動かして読めます。

事業者代理合同乗船貸切
シーセレモニー5万5,000円から11万円から(通常17万6,000円。冬季割引あり)ファミリー貸切 16万5,000円から
みんなの海洋散骨(株式会社Aクルーズ)代行委託 4万4,000円から13万2,000円から貸切A 24万2,000円から、貸切B 22万円から
みらい散骨東京湾代行 1万7,800円価格の記載なし家族チャーター 17万6,000円
蒼コーポレーション東京湾代行 2万3,000円プランなしプライベート貸切(6名まで) 9万8,000円

各社ページの注記は次のとおりです。

  • シーセレモニー。合同乗船の冬季割引は、2027年1月〜2月出発分で、申込は2026年12月23日までです。代理は月1回ほどの実施で、証明書は郵送されます。
  • みんなの海洋散骨。粉骨料は価格に含まれ、土日祝日も同じ料金です(公式トップの表示)。貸切Aは花と酒、メモリアルDVDつきです。貸切Bは花と酒を自分で用意するプランです。
  • みらい散骨。家族チャーターは「粉骨料金込み、追加費用なし」とされています。粉骨のみの依頼は1万6,500円です。散骨と手元供養を組み合わせると1万1,000円が加わります。
  • 蒼コーポレーション。粉骨、花、酒が含まれます。相模湾のプランは受付を停止しています。

比較サイトには、ここと違う金額が載っていることがあります。申し込む前に、必ず公式ページで最新の価格を見てください。平安堂のページは新規受付を止めているため、表には入れていません。

追加料金と契約前の確認項目

公式の表示価格のほかに、次のような費用が別にかかる場合があります。

衣笠山公園から見た東京湾フェリー
写真: Yamaguchi Yoshiaki / CC BY-SA 2.0(Wikimedia Commons)
  • 遺骨の引き取り。シーセレモニーは出張の引き取りが東京23区で2万2,000円、23区外で2万7,500円です。蒼コーポレーションの自宅への引き取りは、東京と神奈川で5,000円です。
  • 粉骨。みんなの海洋散骨とみらい散骨の家族チャーターは、価格に含まれます。粉骨のみを頼む場合の料金はみらい散骨のページにあります。
  • 墓じまいを伴う場合の乾燥処理。蒼コーポレーションは、代理プランに1万円を加えた3万3,000円としています。
  • キャンセル料。蒼コーポレーションは、実施の3日前以内(当日を入れて4日前)で30%と書いています。シーセレモニーのページには、キャンセルの条件が見つかりませんでした。

契約の前に、次の点を確認すると安心です。これは私の提案で、法律上の決まりではありません。

  1. 見積書に、粉骨、乗船、献花、証明書の費用が含まれるか。
  2. 散骨する場所の説明と、実施後に届く証明書や写真の内容。
  3. 天候で中止になったときの日程変更や費用の扱い。
  4. キャンセルの条件と、料金がかかる時期。

散骨のガイドラインと法律

事業者向けの「散骨に関するガイドライン」があります。令和2年度の厚生労働科学研究の報告書に添えられたもので、厚生労働省のサイトでは参考資料として載っています。散骨事業者が守る内容をまとめたものですが、法律でも国の通知でもありません。

江ノ島シーキャンドルから見た太平洋
写真: SuFlyer / CC0(Wikimedia Commons)

確認できた主な内容は次のとおりです。

  • 散骨は、適法に火葬された遺骨を粉状に砕き、墓地、埋葬等に関する法律が想定する埋葬や保管とは別の方法で撒くことと定義されています。
  • 事業者は、墓地、埋葬等に関する法律、刑法、廃棄物処理法、海上運送法、民法、地方自治体の条例、このガイドラインを守ります。
  • 海に撒くときは、海岸から一定の距離以上離れた海域で、地域の利用状況に合った距離を取ります。
  • 遺骨は、形が分からない状態まで砕きます。
  • 周辺の住民、土地の所有者、漁業者に配慮します。プラスチックやビニールなどを海に投じてはいけません。
  • 契約では、料金表の提示、契約内容の選択、事前の説明、書面での契約、費用の明細、利用者からの解約の受付、散骨証明書の発行を求めています。
  • 年間の実施結果を、事業者のサイトで公表します。

距離の具体的な数字や、粉骨の粒の大きさの数字は、確認したPDFの範囲では読み取れませんでした。ガイドラインの公表時期についても、厚生労働省のページには日付がなく、報道でも年が分かれています。PDFの作成日は2021年3月31日でした。原文は出典のリンクで確認してください。

自治体の条例と、地域ごとの違い

このガイドラインとは別に、自治体が独自のルールを持つ場合があります。自治体法務研究所の条例一覧(令和8年4月1日更新)で確認できた内容は次のとおりです。

大野山山頂から望む相模湾
写真: Tmv / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)
  • 散骨を禁止している自治体。長沼町、松島町、南阿蘇村。
  • 原則禁止で、届出をすれば認められる自治体。秩父市、伊佐市。
  • 散骨する場所の許可制を取る自治体。諏訪市、御殿場市、本庄市、湯河原町、熱海市、箱根町、伊東市、三島市、愛南町、三浦市。散骨の行為そのものを規制するものではありません。
  • 岩見沢市は、場所の許可制に加えて原則禁止の規定があります。七飯町は条例ではなく要綱です。

熱海市と伊東市は、条例を海洋散骨には適用せず、別にガイドラインを置いています。熱海市のガイドラインは陸地から10km以上離れること、伊東市のガイドラインは陸地から6海里以内を避けることを求めています。

この一覧がすべての自治体を網羅しているとは限りません。散骨の場所を決めるときは、その海域に近い自治体と、依頼する事業者に確認してください。法的な判断が必要なときは、専門家に相談してください。

出典

いずれも2026年11月2日に確認しました。価格は各社の掲載で、変更されることがあります。

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