墓じまいの見積を石材店に頼む前にそろえる情報 区画・面積・墓石の数・管理者への確認
墓じまいの見積を石材店に頼む前に、手元にそろえる情報は5つです。墓所の場所と区画番号、墓所の面積、墓石などの数、納骨している遺骨の数、墓地の管理者に確かめた工事のルールです。この5つが分かると、石材店は現地を見る前でも話を進めやすくなります。
とくに先に聞いておきたいのは、墓地に工事の決まりがあるかどうかです。公営墓地では、墓石の撤去に事前の許可が要る例があります。この記事は一般的な情報で、個別の判断は墓地の管理者や石材店、行政書士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。
墓所の場所・区画・面積を書き出す

最初に、墓所の基本情報を1枚のメモにまとめます。使用許可書や永代使用の証書があれば、そこに書かれています。
- 墓地の名前と所在地(霊園名、寺院名)
- 区画の番号(「○区○番」など)
- 墓所の面積
- 墓地の使用者の名前
- 墓地の管理者の連絡先
面積は、墓地の使用料や管理料の計算に使われます。神戸市の市立墓園では、年間使用料が3平方メートルまでは3,900円、3平方メートルを超えると1平方メートルあたり1,300円(端数は切り上げ)と、市のページにあります。面積は、使用許可書や管理料の通知で確かめられます。
使用者の名義が亡くなった親のままの場合は、名義の変更が必要になることがあります。手続は管理者によって違うため、管理者に聞きます。使用許可書が見つからないときも、管理者に相談します。京都市は、市営墓地の使用終了の書類で、使用許可書を紛失した場合は終了届に書くよう案内しています。
墓石・付属物・遺骨の数を数える

見積の元になるのは、撤去するものの数と大きさです。現地で写真を撮り、次のものを数えておきます。
- 墓石(竿石・台石など)の数と、おおよその大きさ
- 墓誌、灯籠、花立、香炉などの付属物
- 区画を囲む石(巻石)や外柵
- 植え込みや樹木
- 納骨室(カロート)の有無と、納められている遺骨の数
京都市の案内では、墓石、巻石、植込みなどの工作物を撤去し、原則として更地に戻すと書かれています。囲む石や植え込み、木の根まで残っていないかを見るように注意書きもあります。見積に「巻石」や「植栽」が入っているかどうかは、石材店に確かめます。
遺骨の数は、改葬の手続にも関わります。京都市の資料では、改葬許可申請書は遺骨1体につき1部が必要とされています。改葬許可申請書の書き方は、改葬許可申請の記事で説明しています。
墓石の撤去工事の内訳の見方や、追加料金は、墓じまいの費用の記事と代行の選び方の記事にまとめました。この記事では、見積を頼む前の情報集めに絞ります。
墓地の管理者に聞くこと

石材店に見積を頼む前に、墓地の管理者に次の4点を聞きます。公営墓地なら市区町村の担当課や管理事務所、寺院の墓地なら寺院、民間霊園なら運営会社が窓口です。
- 墓石の撤去工事に、事前の許可や届出が要るか
- 工事ができる石材店が決まっているか(指定石材店の有無)
- 工事ができる日や時間帯、車や重機の出入りに決まりがあるか
- 墓地を返すときの手続と、必要な書類
指定石材店の有無は、墓地ごとに違います。今回調べた公営墓地(京都市・神戸市・福岡市)の案内には、指定の石材店についての記載を見つけられませんでした。寺院や民間霊園の決まりは、直接聞かないと分かりません。指定がある場合、見積を頼める石材店が限られます。先に聞いておけば、見積を取り直す手間が減ります。
工事のルールも聞きます。京都市では、墓石などの撤去工事の前に、工作物設置等許可申請書を出すことになっています。許可の連絡は申請から1週間ほどと案内されています。事前の許可が求められているため、許可の前に工事の日を決めないよう、石材店にも伝えます。
見積をとる石材店には、管理者に聞いた内容を伝えます。「指定なし」「事前許可あり」などの情報があれば、見積の条件がそろい、比べやすくなります。
公営墓地を返すときの手続の例

公営墓地の返還は、自治体ごとに決まりが違います。例として3つの市を挙げます。お住まいの自治体や、墓地を管理する市区町村の案内で確かめてください。
表は左右に動かして読めます。
| 市 | 返還までの主な流れ | 書類の例 |
|---|---|---|
| 京都市 | 遺骨があれば改葬許可を得る。墓石などの撤去は事前の許可を受ける。区画を原則更地にしてから、終了の届を出す | 市営墓地使用終了届、使用許可書、工作物設置等完了届、改葬許可証 |
| 神戸市 | 年間使用料を納める。遺骨を他の墓地などへ改葬する。墓石などを撤去して更地に戻す | 墓園施設・附属施設返還届書、施工届書、工事完成届書など |
| 福岡市 | 利用をやめたときは改葬を行い、原状に復して返還する。市長の承認を受けた場合は現状のまま返還できる | 墓地利用地返還届(様式第6号) |
京都市の案内には、年度の途中で使用を終えても、その年度の管理料の支払いが必要とあります。神戸市のページでは、年間使用料を納めたうえで返還するよう書かれています。納めたお金が戻るかどうかは、各市の案内で確かめてください。
石材店などが手続を代わりに行うときは、委任状が必要です。京都市と神戸市のページに、その旨があります。見積を頼むときに、書類の手続も石材店が行うか、使用者が行うかを聞いておきます。
自治体によっては、墓じまいの費用の補助があります。自治体の補助金の記事で、3つの市の例を紹介しています。
見積を頼むときに石材店へ伝えること

ここまでの情報を、見積の依頼文や電話の前にまとめておきます。次の項目を伝えると足ります。
- 墓地の名前、区画番号、面積
- 墓石と付属物の数、写真
- 遺骨の数と、改葬先が決まっているか
- 管理者に聞いた、事前許可・指定石材店・工事の条件
- 希望する時期
2社以上に同じ情報を伝えると、見積の違いが分かります。見積を並べるときは、工事の範囲が同じかを先に確かめます。囲む石や植え込みを含むか、運搬と処分の費用を含むか、許可申請の手続を代行するか、という点です。
出典
- 京都市「市営墓地使用終了の手続について」 https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/cmsfiles/contents/0000320/320059/01_shuryo.pdf
- 神戸市「神戸市立墓園の届出等・年間使用料」 https://www.city.kobe.lg.jp/a60186/kurashi/memorial/cemetery/todokede_shiyousya.html
- 福岡市「福岡市墓地条例施行規則」第8条 http://www.city.fukuoka.lg.jp/d1w_reiki/reiki_honbun/q003RG00000569.html
いずれも2026年11月4日に確認しました。寺院や民間霊園の決まりは公開されていないことが多いため、墓地の管理者に直接確かめてください。