墓じまいと散骨の手引き

墓じまいの見積を石材店に頼む前にそろえる情報 区画・面積・墓石の数・管理者への確認

内容の確認日: 2026年11月4日

墓じまいの見積を石材店に頼む前に、手元にそろえる情報は5つです。墓所の場所と区画番号、墓所の面積、墓石などの数、納骨している遺骨の数、墓地の管理者に確かめた工事のルールです。この5つが分かると、石材店は現地を見る前でも話を進めやすくなります。

とくに先に聞いておきたいのは、墓地に工事の決まりがあるかどうかです。公営墓地では、墓石の撤去に事前の許可が要る例があります。この記事は一般的な情報で、個別の判断は墓地の管理者や石材店、行政書士などの専門家にお願いします。内容は2026年11月4日に確認しました。

墓所の場所・区画・面積を書き出す

日本の郊外にある墓地
写真: Gpwitteveen / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

最初に、墓所の基本情報を1枚のメモにまとめます。使用許可書や永代使用の証書があれば、そこに書かれています。

  • 墓地の名前と所在地(霊園名、寺院名)
  • 区画の番号(「○区○番」など)
  • 墓所の面積
  • 墓地の使用者の名前
  • 墓地の管理者の連絡先

面積は、墓地の使用料や管理料の計算に使われます。神戸市の市立墓園では、年間使用料が3平方メートルまでは3,900円、3平方メートルを超えると1平方メートルあたり1,300円(端数は切り上げ)と、市のページにあります。面積は、使用許可書や管理料の通知で確かめられます。

使用者の名義が亡くなった親のままの場合は、名義の変更が必要になることがあります。手続は管理者によって違うため、管理者に聞きます。使用許可書が見つからないときも、管理者に相談します。京都市は、市営墓地の使用終了の書類で、使用許可書を紛失した場合は終了届に書くよう案内しています。

墓石・付属物・遺骨の数を数える

家名を刻んだ日本の伝統的な家墓の石塔
写真: Gpwitteveen / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

見積の元になるのは、撤去するものの数と大きさです。現地で写真を撮り、次のものを数えておきます。

  • 墓石(竿石・台石など)の数と、おおよその大きさ
  • 墓誌、灯籠、花立、香炉などの付属物
  • 区画を囲む石(巻石)や外柵
  • 植え込みや樹木
  • 納骨室(カロート)の有無と、納められている遺骨の数

京都市の案内では、墓石、巻石、植込みなどの工作物を撤去し、原則として更地に戻すと書かれています。囲む石や植え込み、木の根まで残っていないかを見るように注意書きもあります。見積に「巻石」や「植栽」が入っているかどうかは、石材店に確かめます。

遺骨の数は、改葬の手続にも関わります。京都市の資料では、改葬許可申請書は遺骨1体につき1部が必要とされています。改葬許可申請書の書き方は、改葬許可申請の記事で説明しています。

墓石の撤去工事の内訳の見方や、追加料金は、墓じまいの費用の記事と代行の選び方の記事にまとめました。この記事では、見積を頼む前の情報集めに絞ります。

墓地の管理者に聞くこと

新潟市西区役所の庁舎
写真: Suikotei / CC BY 4.0(Wikimedia Commons)

石材店に見積を頼む前に、墓地の管理者に次の4点を聞きます。公営墓地なら市区町村の担当課や管理事務所、寺院の墓地なら寺院、民間霊園なら運営会社が窓口です。

  1. 墓石の撤去工事に、事前の許可や届出が要るか
  2. 工事ができる石材店が決まっているか(指定石材店の有無)
  3. 工事ができる日や時間帯、車や重機の出入りに決まりがあるか
  4. 墓地を返すときの手続と、必要な書類

指定石材店の有無は、墓地ごとに違います。今回調べた公営墓地(京都市・神戸市・福岡市)の案内には、指定の石材店についての記載を見つけられませんでした。寺院や民間霊園の決まりは、直接聞かないと分かりません。指定がある場合、見積を頼める石材店が限られます。先に聞いておけば、見積を取り直す手間が減ります。

工事のルールも聞きます。京都市では、墓石などの撤去工事の前に、工作物設置等許可申請書を出すことになっています。許可の連絡は申請から1週間ほどと案内されています。事前の許可が求められているため、許可の前に工事の日を決めないよう、石材店にも伝えます。

見積をとる石材店には、管理者に聞いた内容を伝えます。「指定なし」「事前許可あり」などの情報があれば、見積の条件がそろい、比べやすくなります。

公営墓地を返すときの手続の例

福岡市西区役所の庁舎
写真: そらみみ / CC BY-SA 4.0(Wikimedia Commons)

公営墓地の返還は、自治体ごとに決まりが違います。例として3つの市を挙げます。お住まいの自治体や、墓地を管理する市区町村の案内で確かめてください。

表は左右に動かして読めます。

市返還までの主な流れ書類の例
京都市遺骨があれば改葬許可を得る。墓石などの撤去は事前の許可を受ける。区画を原則更地にしてから、終了の届を出す市営墓地使用終了届、使用許可書、工作物設置等完了届、改葬許可証
神戸市年間使用料を納める。遺骨を他の墓地などへ改葬する。墓石などを撤去して更地に戻す墓園施設・附属施設返還届書、施工届書、工事完成届書など
福岡市利用をやめたときは改葬を行い、原状に復して返還する。市長の承認を受けた場合は現状のまま返還できる墓地利用地返還届(様式第6号)

京都市の案内には、年度の途中で使用を終えても、その年度の管理料の支払いが必要とあります。神戸市のページでは、年間使用料を納めたうえで返還するよう書かれています。納めたお金が戻るかどうかは、各市の案内で確かめてください。

石材店などが手続を代わりに行うときは、委任状が必要です。京都市と神戸市のページに、その旨があります。見積を頼むときに、書類の手続も石材店が行うか、使用者が行うかを聞いておきます。

自治体によっては、墓じまいの費用の補助があります。自治体の補助金の記事で、3つの市の例を紹介しています。

見積を頼むときに石材店へ伝えること

重機とトラックが入る建設現場
写真: Guenny / CC BY-SA 3.0(Wikimedia Commons)

ここまでの情報を、見積の依頼文や電話の前にまとめておきます。次の項目を伝えると足ります。

  • 墓地の名前、区画番号、面積
  • 墓石と付属物の数、写真
  • 遺骨の数と、改葬先が決まっているか
  • 管理者に聞いた、事前許可・指定石材店・工事の条件
  • 希望する時期

2社以上に同じ情報を伝えると、見積の違いが分かります。見積を並べるときは、工事の範囲が同じかを先に確かめます。囲む石や植え込みを含むか、運搬と処分の費用を含むか、許可申請の手続を代行するか、という点です。

出典

いずれも2026年11月4日に確認しました。寺院や民間霊園の決まりは公開されていないことが多いため、墓地の管理者に直接確かめてください。

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